Discover 江戸旧蹟を歩く
 
 目黒不動尊 参道左手諸堂

  ○ 前不動堂
  ○ 甘藷先生記念碑
  ○ 北一輝先生碑
  ○ 勢至堂
  ○ 本居長世の碑
  ○ 腰立不動堂
  ○ 三界萬霊塔
  ○ 北向六地蔵尊
  ○ 諸石造物


前不動堂 東京都文化財

 将軍や大名の参拝があると、一般参詣客は石段を登ることは許されませんでした。
 このため、一般参詣客への便宜を図って、前不動堂が建立されたといいます。
 無事カエルがいますが、前不動堂だけで帰るのも空しいですね。

    

(説明板)
「東京都指定有形文化財(建造物)
 滝泉寺前不動堂
  所在地 目黒区下目黒三ー二○ー二六
  指定 昭和四十一年三月三一日
 泰叡山滝泉寺は、通称「目黒不動尊」と呼ばれており、大同三年(八○八)、慈覚大師円仁の創建と伝えられる天台宗の寺院です。境内にある前不動堂は、江戸時代中期の建築になり、「江戸名所図会」にも、現在地付近に「前不動」として図示されています。前不動堂は、滝泉寺本堂手前の男階段左下にある、独鈷の滝の左崖下に建立され、堂内には木造不動明王三尊立像等を安置してあります。江戸時代中期の仏堂建築として、比較的良く往時の姿を保っています。建造物と併せて、扁額「前不動」も附として指定されています。この扁額には「佐玄龍書」の署名があり、堂建立当時のものと推測されています。筆者の佐々木玄龍は、通称万二郎、池庵を号していました。慶安三年(一六五○)、江戸に生まれ、書風一家をなし、享保七年(一七七二)に亡くなり、墓標は青山霊園にあります。
  平成二十二年三月 建設  東京都教育委員会」

  
 

<東京都標柱>

 東京都の標柱があります。

 (正面)「都重宝 滝泉寺前不動堂」
 (裏面)「昭和四十一年三月十七日指定
      昭和四十四年三月十日建設
      東京都教育委員会」

   
 

<狛犬(和犬)>

 首が折れた跡があります。
 かつて参道に座していた狛犬(和犬)に酷似しています。

    


○甘藷先生記念碑 別途記載


北一輝先生碑

 「北一輝先生碑」と文化14(1817)年銘の「千家華塚」があります。

(説明板)
「北一輝先生
 この碑は北一輝先生の顕彰碑で大川周明氏の文によるものです。
 先生は明治十六年、佐渡ヶ島に生れた憂国の士で、大正デモクラシーの時代中国に渡り、中国革命を援助し又日本改造論を叫び、国家主義の頭目として、特に陸軍の青年将校を刺戟し多くの信奉者を得た。
 時適々満州事変前後より先生の思想はファシスト化し、遂に二・二六事件を惹起する要因になった。勿論直接行動には参加しなかったが、首謀者として昭和十二年銃殺刑に処せられた。然し先生の生涯をさゝえたものは奇くも法華経の信仰であったことは有名である。
 毎年八月十九日の祥月命日には今も尚全国の有志が追悼法要を厳修している。
  当山」

   
 

「北一輝肖像」(国立国会図書館「近代日本人の肖像」)
  明治16(1883)年4月3日〜昭和12(1937)年8月19日

  


勢至堂 目黒区文化財

 江戸時代中期の造営です。

  

(説明板)
「瀧泉寺勢至堂
  区指定文化財(昭和59年3月31日指定)
    下目黒3-20-26
 瀧泉寺勢至堂は江戸時代中期の創建とみられ、勢至菩薩像が安置されています。建築各部にわたって後世の改変が甚だしいですが、全体的な形姿や細部絵様に優れた意匠の特質を保存しており、その姿に寛永中興期の龍泉寺の面影を残しています。
 向かって右の前不動堂(都指定文化財)との関連をみると、勢至堂は前不動堂より建築意匠上の格は低いものの、細部に類似性が見られることから、勢至堂は前不動堂の建立からそれほど時間のたたない内に、前不動堂を意識して造営されたと推察できます。
 現在の場所は創建当初からのものではなく、以前は前不動堂の前方にありましたが、昭和44年に行われた前不動堂の修理後に移されました。今では南斜面の緑の中に溶け込み、龍泉寺境内の優れた景観を形成しています。
  平成21年3月  目黒区教育委員会」

 


本居長世の碑

 碑には『十五夜お月さん』の五線譜が刻され、本居長世の写真が掲げられています。
 野口雨情の詩に本居長世が作曲しています。

   

(説明板)
「童謡は第一流の詩人が子供のために詩を書き第一流の音楽家が曲を付けた世界に誇る日本の児童文化財です。本居長世は音楽学校で中山晋平、弘田龍太郎を教えるかたわら「七つの子」「青い目の人形」「赤い靴」「めえめえ小山羊」「お山の大将」のような作品を自身作曲して世に送りました。ことに大正九年、野口雨情の詩に作曲した「十五夜お月さん」はいかにも日本的な旋律に変奏曲的な伴奏を配したもので、この種の先駆的作品として重んじられました。本居はこれらの曲を作ったころ、この目黒不動のすぐ隣に住んでおり、月の夜この寺の境内を散歩しながら想を練ったことでしょう。
 今ここに氏の曲の碑を建てて、氏の功績を記念したいと思います。
  本居長世を慕う会 童謡の里めぐろ保存会」

  


腰立不動堂

 立身出世の不動尊が祀られています。

   


三界萬霊塔

 西塀に面して三界萬霊塔があります。

   


北向六地蔵尊

(説明掲示)
「北向六地蔵尊。
 地蔵菩薩の浄土伽羅陀山は南方にあり、南を向いて地蔵菩薩を祈れば、直ちに浄土を発し、人々のいる北に向かって救いに来て下さるので北を向いています。
 南無北向六地蔵尊」

    


諸石造物

<馬頭観世音像>

 新しい馬頭観世音像です。

   
 

<馬頭観世音>

 大正9(1920)年銘の自然石に文字を刻む馬頭観世音です。

  
 

<釈迦如来坐像>

  
 

<観世音菩薩立像>

  
 

<大黒天>

 竜泉寺は山手七福神のうち恵比寿天をお祀りする場所ですが、大黒天もおわします。

  


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