Discover 江戸旧蹟を歩く
 

 銭座

  ○ 小菅銭座 (葛飾区小菅)
  ○ 真先銭座 (荒川区南千住)
  ○ 橋場銭座 (台東区橋場)
  ○ 小梅銭座 (墨田区業平)
  ○ 亀戸銭座 (江東区亀戸)



真先銭座跡 荒川区南千住3-37

 川の手通りから下に下がったところの小公園に、説明板「真先銭座跡」があります。
 天保通宝の鋳造所でした。

<真先銭座跡>

(説明板)

「真先銭座跡
 真先銭座は、江戸時代末期の文久二年(一八六二)、百文通貨の天保通宝鋳造ために設けられた大規模なエ場である。「百文銭鋳立所」と呼ばれた。姫路藩酒井雅楽頭の抱屋敷(それ以前は、石浜神社の神主・鈴木兵部の屋敷地)の建物を転用し施設が築造された。天保通宝の他、文久永宝も鋳造された。
 數地は、六千五百八十坪(約二万二千平方メートル)に及んだ。当時の絵図などから、石浜神社の北東、南千住三ー三七・三八付近から、瑞光橋公園(旧隅田川貨物駅運河と水門跡)あたりまでと推定される。平成二年三月の試掘調査で、天保通宝鋳造エ程でできた屑鉱などが出土した。
  荒川区教育委員会」

    

    



小梅銭座跡 墨田区業平1-7-2

 本所税務署の前の歩道に、説明板「小梅銭座跡」があります。
 寛永通宝の鋳造所でした。

<小梅銭座跡>

(説明板)

「小梅銭座跡  所在地 業平一丁目七番・十三番・十四番
 銭は、中央に四角い小さな孔をあけた円形の金属貨幣で、国内では七世紀後半の富本銭の鋳造に始まると考えられています。八世紀初頭から十世紀半ばにかけては和同開珎をはじめとするいわゆる皇朝十二銭が鋳造されました。公鋳銭の発行は、平安時代の末から長らく途絶しましたが、寛永十三年(一六三六)六月、江?幕府は芝網縄手と浅草橋場、近江坂本に銭座を設け、寛永通宝を発行するようになりました。そして以後、幕末に いたるまで各種の銅銭が流通したのです。
 江?時代後期の有名な地誌、『新編武蔵風土記稿』によれば、当地にあった銭座はとくに「新銭座」の名で呼ばれ、その敷地は百二十間四方(四万七千閉?)に及んだそうです。稼働期間は不明ですが、『古今泉貨鑑』によれば、元文元年(一七三六)十月二十日に裏面に「小」の一字を入れた寛永通宝が鋳造されたようです (右図)。運営は、幕府の御用商人が請け負いました。幕府の財政経済資料をまとめた『吹塵録』(勝海舟編) には、野州屋・南部屋という二つの屋号が確認できます。
 なお、墨田区内では、当地のほか押上や本所馬場、本所横川にも銭座があったとされ、とくに本所馬場では天保通宝(天保銭)を鋳造していたと伝わっています。
  平成二十五年五月  墨田区教育委員会」

     



亀戸銭座跡 江東区亀戸2-6-9

 亀戸銭座跡碑とモニュメントがあります。寛永通宝の鋳造所でした。
 

   表                            裏
   
 

<亀戸銭座跡>

(説明)

「亀戸銭座跡
 この付近に幕府の鋳銭所がおかれ亀戸銭座と称し寛文八年から明治六年まで各種の寛永通宝銭を鋳造しその銭のおもてには寛永通宝うらには文の字のあるものや二十一本または十一本の浪模様のあるものなどがある
  昭和三十三年十月一日江東区第十三号」

    
 

<モニュメント>

    表                         裏
   
 

<レリーフ>

(銘板)
「銭座で行われている銅貨製造工程のうち、平研(銅貨の表面を磨く)の作業をしている図
 銭座絵巻より(享保13年/1728作)」

   
 

 銭座絵巻は国会図書館では所蔵していなかったので、大日本貨幣史(大蔵省)から同じ場面を引用します。

  



日清紡績創業の地 江東区亀戸2-6-50

 亀戸銭座跡碑とモニュメントから東へ数m離れたところに、日清紡績創業の地碑があります。

<日清紡績創業の地>

(碑文)

「日清紡績創業の地
 日清紡績株式会社は明治四十年一月創立後、東京府南葛飾郡亀戸町の当敷地二万余坪に、最新鋭設備を誇る本社工場を建設した。
 最盛期には,紡機一○七、八○○錘、織機三六○台を擁した本工場は、昭和十六年軍の要請により陸軍被服本廠が使用するに至るまで、四十五年に亘り主力工場として綿糸布を生産し、広く内外の需要に応えると共に、幾多の人材を輩出した。
 この間明治四十三年,大正六年, 昭和十三年の三たび横十間川の洪水で浸水し、大正十二年には関東大震災に逢ったが、従業員の献身的努力によりこの職場を守り得た。
 昭和二十年大戦下の空襲により焼土と化したが、運動場として整備し主として勤労青少年の体育に寄与してきた。偶々昭和四十二年東京都浄水場、日本住宅公団用地として提供するに至り、当社の手を離れた。
 今般この地に記念碑を建立し会社創業関係者の遺徳と、生死苦楽を共にした多数従業員各位の功績を偲ぶものである。
 日清紡績株式会社 昭和四十六年五月建之」

    
 

○まちなみ景観賞受賞記念碑 江東区亀戸2-6-8

 亀戸銭座跡碑とモニュメントから西へ数m離れたところに、まちなみ景観賞受賞記念碑があります。亀戸2丁目団地植栽管理活動が受賞。
 
 「第一回 まちなみ景観賞 受賞記念碑」
 「平成二年度 江東区)

    


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