○ 四日市
○ 郵便発祥の地(駅通司・郵便役所)
○ 三菱倉庫・江戸橋歴史展示ギャラリー(七ツ蔵)
○ 江戸橋
「江戸名所図会 四日市」
日本橋と旧江戸橋(現在の江戸橋より東へ約100m)の間、日本橋川の南が四日市です。
日本橋川の対岸は日本橋魚河岸です。
四日市の地名は毎月四の日に市がたったのを起源としています。
2枚目は旧江戸橋部分の拡大です。
「四日市」(井上安治 国立国会図書館蔵)
井上安治が「四日市」を描いています。
左手に「東京郵便役所」が見えます。
右手に七棟並んでいた「七つ蔵」(三菱倉庫)が見えます。
「古今東京名所 江戸橋 三つ菱の荷蔵」(三代広重 明治16年 台東区立図書館蔵)
江戸橋から、四日市の三菱「七ツ蔵」を描いています。
左手奥に、かすかに郵便役所が見えます。
「郵便発祥の地
ここは、明治四年三月一日(1871年4月20日)
わが国に新式郵便制度が発足したとき駅通司
と東京の郵便役所が置かれたところです」
「郵便創業100年記念ポスト」
昭和46(1971)年の設置です。
「前島密先生」「郵便発祥の地」
郵便創業90周年を記念して、昭和37(1962)年4月に建てられました。
「前島密像」(国立国会図書館「近代日本人の肖像」)
天保6年1月7日〜大正8年4月27日(1835年2月4日〜1919年4月27日)
「最初の郵便」(実写奠都五十年史 大正6年)
「駅逓司内の郵便役所」、「郵便函」、「郵便物騎馬集配人」の写真です。
解説「上は明治四年三月一日始て開始したる日本橋四日市驛逓司内の郵便役所にして下は其當時の郵便函と郵便物騎馬集配人なり」
「東京開化三十六景 四日市郵便本局」(三代広重)
日本橋四日市に置かれた郵便役所、四日市郵便本局を描いた東京開花三十六景の1枚です。
四日市郵便本局の奥に、第一国立銀行の二重星(ダブルスター)が描かれています。
三菱倉庫の本店がある「日本橋ダイヤビルディング」は、2014年9月に竣工。
ビルのオープンとともに1階のエントランスホールに開設・公開されたのが「江戸橋歴史展示ギャラリー」です。
「中央区まちかど展示館 」のひとつに登録されています。
江戸橋歴史展示ギャラリー紹介
屋上には船の船橋を模した塔屋が建っています。半円形のバルコニーも見えます。
エントランス部は丸みを帯びた自然石。
<東京都選定歴史的建造物>
(碑文)
「東京都選定歴史的建造物
日本橋ダイヤビルディング(旧三菱倉庫江戸橋倉庫ビル)
所在地 東京都中央区日本橋一丁目19番1号
設計者 三菱倉庫株式会社(昭和5年(1930))
株式会社三菱地所設計・株式会社竹中工務店(平成26年(2014))
建築年 昭和5年(1930))(再開発:平成26年(2014)))
三代広重が「古今東京名所」で描いた煉瓦造りの「江戸橋三菱の荷蔵」(明治13年(1880)築)が、大正12(1923)年の関東大震災により飛び火で焼け落ちたため、昭和5年(1930)に、耐震耐火に優れた鉄筋コンクリート造(一部フラットスラブ構造)の近代的都市倉庫「江戸橋倉庫ビル」(地下1階・地上6階建)が建設された。
船橋を模した屋上の塔屋や上層階の半円窓など、船体を思わせる個性的な外観を持つ、表現主義の影響を受けた代表的な作品。日本橋川をロンドンのテムズ川に見立て、外国航路の本船が停泊しているのが、このビルのモチーフとする見方があり、横光利一著「家族会議」(昭和10年(1935)では、「三菱倉庫のそびえるあたりの静かな波はベニスに似ている」と表現された。
併設の「トランクルーム」は、昭和6年(1931)、三菱倉庫株式会社が考案・命名し、「江戸橋倉庫ビル」に於いて、本邦で最初にトランクルーム事業を開始した。
「江戸橋倉庫ビル」は建設以来80有余年が経過し、環境も変化したため、平成23年(2011)に外観の約7割を保存し建替える再開発に着手し、平成26(2014)年に地上18階建のオフィスビル「日本橋ダイヤビルディング」として竣工した。 東京都」
「近代化産業遺産」のプレートもあります。
<展示館への入口>
重厚な玄関から入り、左手に進むと、右手と左手奥に展示があります。
<金庫扉と展示>
江戸橋倉庫ビルのこの位置で当初から使われていた金庫扉。
<模型>
「三菱の七ツ蔵
郵便汽船三菱会社により7棟の倉庫が建設され、三菱倉庫の前身である東京倉庫会社が明治23年(1890)から一部の使用を始めた。
倉庫業が、金融業、海運業との混合経営から独立した事業へ発展する時代の建物である。
竣工年:明治13年(1880)
設計:ジュール・レスカス(仏)
構造・規模:煉瓦造 地上2階
模型縮尺:1/200。」
<展示スペース>
「東京名所の煉瓦蔵」
【画面表示パネル】
以下は画面表示のパネルの抜粋です。狭いスペースを上手に活用していると思いました。
「隅田川風物図巻」
日本橋川が描かれています。
豊海橋〜湊橋〜江戸橋〜日本橋〜一石橋
江戸橋〜四日市・魚河岸〜日本橋部分です。
「東京開化名所 江戸ばしの真景ー明治七年」(三代広重)
江戸橋は二連アーチの石橋です。
「江戸橋ヨリ鎧橋遠景」井上探景(井上安治)
江戸橋から鎧橋を望んだ光景。第一国立銀行と渋沢邸が見えます。
鎧橋は鉄橋になっています。
「東京名所之内江戸橋三菱蔵郵便局」(三代広重)
富士山が見えるので、江戸橋から日本橋方面が描かれています。
七ツ蔵と郵便局が見えます。
「古今東京名所 江戸橋三菱の荷蔵(駅造寮)」(三代広重)
江戸橋と、三菱のマークが入った七ツ蔵が描かれています。
かすかに郵便局が見えます。
「東京名所之内江戸ばし郵便局」(三代広重)
七ツ蔵の向かいの郵便局が描かれています。
左手奥にダブルスターの行章を掲げる第一国立銀行が見えます。
(注:ダブルスター(二重星)は、「朝に星をいただいて出勤し、夕に星を眺めて帰る」
という勤勉さを表したもの。今だとブラックですね。)
「東京名所図会 江戸橋郵便局」(三代広重)
江戸橋、七ツ蔵と郵便局が描かれています。
「東京滑稽名所 日本橋天地の魚市」(三代広重)
七ツ蔵が見えます。
カツオをとんびに取られ、天秤棒で取り戻そうとする魚売りの横では、犬もカツオをくわえて逃げています。
「四日市」(井上安治)
左手に郵便局、右手に七ツ蔵を描く、四日市の光景です。
「日本橋」(井上探景(安治))
江戸橋から日本橋方向を見たところ。三菱のマークが入った七ツ蔵が見えます。
「江戸橋と七ツ蔵の写真」
二連アーチと一連の江戸橋です。それぞれ七ツ蔵が見えます。
日本橋川の河畔には、親水空間(テラス)が設置され、公開スペースとなっています。
「江戸橋とその周辺の変遷」
「一 江戸期の江戸橋とその周辺」「二 明治期の江戸橋とその周辺」
「三 大正期の江戸橋とその周辺」「四 昭和期の江戸橋とその周辺」
江戸橋は、明治8(1875)年、木橋から2連の石造アーチ橋に架け替えられ、
明治34(1901)年には、鋼アーチ橋に架け替えられています。
現在の江戸橋は、震災復興橋梁として、以前の位置より約100mほど日本橋寄りに架けられています。
現在の江戸橋から、昭和通りの京橋方面を望んだところ。
「江戸橋から京橋方面」(大東京寫眞帖)
(説明文)
「写真は銀座通りの裏に出来た新道路、復興大幹線中の花形「昭和通り」である。日本橋隅の江戸橋付近から京橋木挽町方面を望んだところ。」
「日本橋」(井上探景(安治) 国立国会図書館蔵)
江戸橋から日本橋を望んだ光景でしょう。
日本橋川沿の倉庫には三菱のマークが見えるので、七ツ蔵でしょう。
「武蔵百景之内 江戸ばしより日本橋の景」(小林清親 明治17年))
奥に見える日本橋は、まだ木橋です。初鰹が天秤皿に見えます。
広重の江戸名所百景を想起させる絵です。
「江戸橋夕暮富士」(小林清親)
江戸橋から木橋の日本橋を望んでいます。
富士山がシルエット状に浮かんでいます。
「江戸橋之景」(井上安治)
「東京名所繁榮之内江戸橋之圖」(梅堂國政 明治8(1875)年 国立国会図書館蔵)
手前の橋が江戸橋です。奥に見える橋は「鎧ばし」とあります。鎧橋へ倉庫が連なります。
江戸橋から日本橋と反対方向の東側を望んだ光景となります。
右手の建物は「三ツ井組」と記されているので、渋沢栄一が第一国立銀行を起こす前の錦絵でしょう。
「絵本江戸土産 八ッ見橋の景 其二」(広重)
八ッ見橋の景の続きで、日本橋川に架かる手前に江戸橋、右奥に日本橋が描かれています。
左奥には鍛冶橋が見えます。
「絵本江戸土産 江戸橋 小網町」(広重)
江戸橋と小網町が描かれています。
「名所江戸百景 日本橋江戸ばし」(広重)
日本橋の上から日本橋川下流に架けられた江戸橋を望んだ風景です。
江戸橋の向こうには、小網町の蔵が連なっています。
日本橋を渡る天秤皿には初鰹が見えます。