○ 千住遊郭(柳新地)
○ 柳町仲通り電灯会
○ 大門商店睦会
○ 千住ニコニコ商店会
・金の湯(かねのゆ)
○ 千住大門商店街
・マルギク(丸菊)ベーカリー
・双子鮨
○ 千住えびす会
○ 千住大正通り商店会
江戸から近い初宿は、宿泊する旅人が少なく、営業不振に陥る旅籠屋も少なくありませんでした。
千住宿、品川宿、板橋宿は、幕府に連名で、旅籠屋に飯盛女を置くことを要望し、
旅籠屋の飯盛女(食売女)が公認されます。江戸に近い遊里として人を集めるようになります。
金蔵寺の足立区教育委員会の説明板によれば、
千住宿55軒の旅籠のうち、飯盛旅籠(食売旅籠ともいう)が36軒ありました。
「千住遊郭」は、大正10(1921)年3月に郊外の「柳新地」(現・千住柳町)に移転します。
関東大震災(大正12(1923)年)以後は板橋・吉原などからも移ってきて、56軒の楼が立ち並び繁栄しました。
「千住遊郭大門より北のようす」(「大震災千住町写真帖」 足立区立郷土博物館蔵)
関東大震災直後に、千住遊郭大門より北を撮影した写真です。
説明文には、大正13年3月には復興したと記されています。
移転は大正10(1921)年3月とあります。
「千住遊郭大門」(足立区立郷土博物館蔵)
大門は銅製で、戦時中に供出されました。
<千住遊郭(柳新地)輪郭>
地図を見ると、正方形に整備された碁盤目状に区画割された道筋によって、遊郭(柳新地)の輪郭がわかります。
「東京府南足立郡千住町全図」(昭和6年1月15日 足立区立郷土博物館蔵)
標記地図から、柳町部分の抜粋です。○が遊郭です。
旧千住遊郭(柳新地)の大門からのメインストリートだった通りに、商店街「柳町仲通り電灯会」があります。
今では商店街とは言えない寂れた通りで、ほぼ住宅街となっています。
<柳町仲通り電灯会>
<柳町仲通りの南から北方向>
<柳町仲通りの北から南方向>
柳町仲通りの北の終端から街灯があります。街灯のある通りから道が広くなります。
スカイツリーが見えます。
<「廊支」「くるわ支」電信柱>
電信柱に「廊」「くるわ」とあります。ストレートな遊郭の痕跡です。
古い電電公社のマークの手書きの支柱もあります。
(参考)
電信柱には古い名残が意外に残っています。
・「猿之助支」電信柱
・「遊園支」電信柱
・「銅像堀支」電信柱
<「國太寿し」と「田中たばこ店」> 足立区千住柳町13
寿司店「國太寿し」とたばこ店「田中たばこ店」が並んでいます。
この商店街で唯一のレトロ店です。
2枚目は、店先に掲示してあった絵です。
田中たばこ店です。
「國太寿し」に掲示されている住居表示「千住柳町一五番地 婦人部」です。
ここは13番地ですが15番地の表示です。
たばこ店に掲示されている「たばこ販売店」には、
ここは13番地ですが15番地の表示です。
<柳町会館> 足立区千住柳町28-1
南から大門の仲通りへ続くのが大門商店睦会です。
大門商店睦会と柳町仲通り電灯会の境にかつて大門がありました。
左手に向かうレンガ舗装の道は、千住大門商店街です。
<長屋> 足立区千住柳町4-3
古い長屋があります。
<YAMATOYA> 足立区千住柳町4-5
大門のあった場所手前にガソリンスタンドがあるのですが、「YAMATOYA」の掲示が見えます。
屋号が「大和屋油店」です。
昔の業態は何だったのか気になるガソリンスタンドです。
<「廊支」「くるわ支」支柱>
電柱と電信柱に「廊支」「くるわ支」とあります。
手書きもあります。
旧千住遊郭(柳新地)の北側の商店街です。
千住遊郭(柳新地)華やかなりし頃は、一番の繁華街でしたが、
昭和33(1958)年の遊郭廃止、都電の撤収等の影響により人の流れが変わり、衰微の一途をたどりました。
東からのいろは通り商店会、西からの千住元町明公会の商店街から、千住ニコニコ商店会の商店街に入ると、街灯がなくなります。
googleストリートビューの2022年8月撮影では存在しているので最近撤去されたようです。
それ以前にはアーチが撤去されています。
かつては盛況だった商店街は、もはや消滅し、解散しているのでしょう。
ニコニコの名前は「ニコニコ不動産」にしか認められません。
東→西方向
西→東方向
<千住西地区プチテラス予定地> 足立区千住大川町38-1
空き地はプチテラス予定地です。
<千住西地区プチテラス予定地> 足立区千住柳町41-14
旧千住遊郭のメイン通りであった柳町仲通りが千住ニコニコ商店会に突き当ったところに
プチテラス予定地があります。
<千住ニコニコ商店会横道> 足立区千住柳町
プチテラス予定地から、千住柳町仲通りへ向かう南北の通りも千住ニコニコ商店会です。
千住ニコニコ商店会の街灯がありましたが、撤去されています。
(2022年8月撮影のgoogleストリートビューでは街灯を確認できるので、それ以降の撤去です。)
北端から南方向 南端から北方向
「廓支」「くるわ支」電信柱が、遊郭の裏手への通りであることの名残を示しています。
「柳町仲通り電灯会」と「千住ニコニコ商店会」の電信柱は「廊支」でしたが、ここは「郭支」です。
千住ニコニコ商店会にある「金の湯(かねのゆ)」です。
昭和49(1974)年3月の開店なので、遊郭廃止後に開業しています。
入り口は現代的ですが、浴室内は、富士山のペンキ絵で、とても高い天井、昔ながらの銭湯です。
地下水を沸かしています。
タカラ湯や帝国湯の地下水を沸かした湯が良質だったので入湯しました。
タカラ湯や帝国湯ほどではありませんでしたが、水道水とは違う浴感でした。
ボディーソープ・リンスインシャンプーが置いてあります。
<金の湯の入口>
ニコニコ通りに看板が出ています。
ニコニコ商店会の街灯は撤去され、普通の街灯が付いています。
金の湯は道路から少し奥まったところにあります。コインランドリー併設です。
<煙突>
<エントランス>
<下足場>
レトロな広告です。
<休憩所>
サインやら色々と掲示されています。
<回数券>
北千住のチケットショップの自販機で買った回数券(460円)で入湯しました。
「千住大門商店街」は、千住柳町に遊廓があったことを示している名称です。
街灯に「おおもん」の名前が残っています。
商店街の北側の柳町に千住遊郭(柳新地)がありました。
北千住駅周辺の商店街と違って、ここは通りがかりの客はほぼいませんが、多くのカカシが店前にいます。
かつての柳新地を取り囲む商店街群は寂れていますが、ここは現役営業店が多く、唯一活気を感じさせるレンガ舗装の商店街です。
<千住大門商店街アーチ撤去>
大門商店街の入口にアーチがあったのですが、令和2(2020)年に撤去されています。
街灯「おおもん」は残っています。
アーチがなくなった現在
<カカシたち>
太子堂のカカシ
カフェ、肉屋、花屋、惣菜店のカカシ
組合理事長のお店「喜田家」のカカシ
カカシではありません。
<かかしの里 名頃>
カカシが持っているポスターです。
「天空の村 かかしの里 名頃
空にほど近い山奥にかかしと仲良く暮らす村があります・・・
徳島県三好市」
<経緯>
足立朝日の記事によると(こちら)、
千住大門商店街振興組合理事長が、コロナ禍で商店街が淋しくなったことを憂い、
「みんなの店先に置いてもらえたら」と自腹で「天空の村・かかしの里」(徳島県三好市名頃地区)から手配したといいます。
2020年4月に設置されました。
<大門道子>
太子堂の店主が買い物客から若い子がいないねと言われ、
造ったのが太子堂の向かいのプチテラス前の椅子に座る若い女性のカカシです。
「大門道子ちゃん」と命名されて、唯一、着替えるカカシです。
さまぁ〜ずの三村マサカズの作画です。
太子堂がお休みの時には、「大門道子ちゃん」はいません。
クリスマスバージョンです。
<おばあのつぶやき>
おばあのつぶやきです。おばあとはどなた?
千住大門商店街にある「マルギク(丸菊)ベーカリー」。
元気な女将さんの、シベリアを売っているレトロなパン屋です。
シベリアは棚にあるし、冷蔵ケースにもあるし、多く置いています。
シベリア210円、カップケーキ130円、あんドーナツ130円
グローブ型のクリームパン130円。
バナナロールケーキ、サービス品150円。
ブドウ食パン330円は、レーズンの密度がバランスよく、密ではないので切るときや食べる時にレーズンは落ちません。
パンはもちもちしていて、総合的に美味しいです。
<遊郭の名残?>
店前の横から奥を見ると、想定外に長いです。裏の道路まで建物が続いています。
裏の道路(旧遊郭内)に回ると、ポストが多数、2階はアパートのようです。
この裏道は妓楼が並んでいた道で、このパン屋は妓楼跡の敷地に向きを変えて建っているのでしょう。
千住大門商店街にある「双子寿司」です。
潰れてしまうのではないかと心配になるインパクトある外観です。
・2016年訪問時
・2023年訪問時
看板のうねりが以前より激しくなっています。
もう一つあった縦の看板は失せています。
端の下がちぎれている暖簾は正面から横へ移動。
仕入に使用していたのであろうスーパーカブはスクーターになっています。
年代もののショーケースには、テイクアウトのサンプルが入っています。
メニューは海鮮丼上1100円、海鮮丼750円、三色丼750円など。
店内
海鮮丼(750円)を食べました。
「大門商店街」に続くのが「千住えびす会」です。
千住竜田郵便局からは「千住えびす会」となります。ここもレンガ舗装です。
商店街が違うので、ここにはカカシはいません。
東端から西方向 商店街の境
街灯 西から東方向 西端から東方向
<プチテラス予定地> 足立区千住元町2-2
どらっぐぱぱすの対面が「千住西地区プチテラス予定地」となっています。
令和5年開設予定とあります。
荒川放水路建設により通水が無くなった用水「西掃部堀」の跡を整備したのが「大正記念道」(現:大正通り)です。
北千住昭和会商店街の西端より、大正通りの北方向へ、閉店している「銀座藪蕎麦千住支店」までが千住大正通り商店会です。
ここも街灯が撤去されています。この商店会も解散しているかと思います。
商店会中央から北方向 商店会中央ら南方向 西終端から南方向
<大正通り>
商店会から北の、旧千住遊郭(柳新地)東側の大正通りです。
川田浅間神社富士塚山頂からの大正通り光景です。
<ニコニコ湯> 足立区千住柳町2-10
井戸水を薪炊きで沸かしている銭湯です。