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 北浦雅子会長お別れの会


○北浦雅子会長お別れの会

 全国重症心身障害児(者)を守る会の北浦雅子会長が令和5年2月16日に逝去され(101歳)、
 「北浦雅子会長お別れの会」が6月25日に全国社会福祉協議会・灘尾ホールで行われ、献花してまいりました。

 全国社会福祉協議会の初代会長は渋沢栄一で、福祉への思いも深く、
 そのひ孫さんが重症児(者)を守る運動の先頭に立たれたことは、単なる偶然ではなかったのではないかとも思えます。

 お別れ会には、親だけではなく多くの方々が幅広く献花されていました。
 守る会の創設に当たって「親の会」とせず、「守る会」とした北浦雅子会長もお喜びのことでしょう。

    

    

(備忘録)
○拝啓池田総理大臣殿
 作家水上勉氏が昭和38年6月に「中央公論」誌上に発表した「拝啓池田総理大臣殿」は親の立場からの訴えであり、大きな波紋を呼び池田総理を動かし、内閣官房長黒田泰美氏の「拝復水上勉様」により、さらに重症心身障害児への広く社会的な関心を呼ぶ機会となりました。
 こうした中、昭和39年6月に全国重症心身障害児(者)を守る会が結成されています。
 北浦雅子さんは、当時は常務理事として会を支えました。「親の会」にしなかったのは、親だけではなく施設や医療関係者などの協力がなければ子どもの命は守れないと考えたからでした。

○この子らを世の光に
 この子らを世の光にと活動された糸賀一雄先生は酒が飲めず、北浦雅子さんは饅頭を差し入れ、酒を飲める小林堤樹先生には酒を差し入れて励ましたそうです。
 誰に対しても気遣いのできる方で、この分野の重鎮の方々(岡田喜篤先生や末光茂先生)は、北浦雅子会長を母と呼ぶことが物語っています。
 
○12万筆の署名を机に積み上げた
 平成21(2009)年、障がい者制度改革推進会議が設置され、重症児施設入所は人権侵害の意見が出されました。
 平成22(2010)年、総合福祉部会が設置され、北浦雅子さんも委員として参画。
 ・重症児者には、命と人権を守る入所施設は必須であると主張し、
 ・署名活動を実施して12万筆の署名を机の上に積み上げて施設の必要性を訴えました。

○名誉都民
 北浦雅子さんは、平成24(2012)年に東京都の名誉都民の顕彰を受けられました。

○天皇皇后両陛下ご臨席
 天皇皇后両陛下は、大会の節目にはご臨席され続けてこられました。
 平成26(2014)年の守る会創立50周年記念大会には、香淳皇后の喪中にもかかわらず、
 天皇皇后両陛下は、喪をはずす手続きを行って、ご臨席されました(宮内庁のHPに除喪と記載されています)。


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