Discover 江戸旧蹟を歩く

 池上本門寺

  ○ 大坊坂


○大坊坂 大田区池上2-10・2-11

 大坊坂は、六層になった石段坂です。
 途中、下に下る石段があり、その先に朱塗りの多宝塔があります。
 坂下を右に曲がると大坊本行寺の赤門前に出ます。
 加藤清正の寄進によって「此経難持坂」が造営されるまで、大坊坂が本門寺への参道でした。

「江戸名所図会」

 江戸名所図会の大坊坂部分の抜粋です。

  

「日蓮大聖人御入滅之霊場
 この石段下 本山大坊本行寺」

   

<木標「大坊坂」>

 木識には、           
 「『新編武蔵風土記稿』に 「大坊坂方丈の右の坂なり、大坊へ行く道なればこの名あり。」と記されている。
  本門寺山内西脇の石段坂で坂下に大坊と呼ばれる本行寺がある。」とあります。
 「昭和五十九年三月 大田区」

    

<宗祖御入滅旧跡 石坂>

  

<御硯水/御廟所 道標>

 天明元(1781)年銘の道標です。

 「祖師御硯水道(そしおんすゝりみつミち)」
 「祖師御廟所道」

    

<鍵屋墓>

 善國寺管理墓地入口に江戸時代の花火師「鍵屋」の墓があります。
 「芝口 鍵屋」とあります。花火を乗せています。

     

<多宝塔への入口>

「日蓮大聖人御荼毘處 多寶塔」

(説明板)
「重要文化財
 池上本門寺多宝塔
 宗祖日蓮大聖人の御尊骸を荼毘に付した霊蹟に建つ供養塔。建立は宗祖五百五十遠忌を期して行われ、江戸芝口講中の本願により、文政十一年(一八二八)に上棟、同十三年(天保元年)に開堂供養を修している。石造の方形基壇に築いた円形蓮華座の上に建つ木造宝塔形式の建物で、内外ともに漆や彩色によって華やかな装飾が施されている。塔内中央には金箔や彩色で装飾された華麗な木造宝塔を安置し、日蓮大聖人御所持の水晶念珠を奉安している。
 宝塔形式の木造塔婆は極めて現存例が少なく、当山多宝塔はその中でも最大規模を誇る本格的な宝塔として、極めて重要な建物である。
 なお、「多宝塔」の名称は建立当初から呼称されているものであり、文化財としての名称は「池上本門寺宝塔」である。
  平成二十三年三月  池上本門寺」

    

<題目塔道標>

 宝暦10(1760)年銘の題目塔道標です。
 (正面)「南無妙法蓮華経宗祖大士焚焼處」
 (左面) 弘安5(1282)年10月13日と、日蓮聖人入滅の日が刻まれています。
 (右面) 宝暦10(1760)年に妙禅院日定による起立です。

     

<大坊坂下>

 多宝塔へは、大坊坂途中の入口から石階段を下りるか、
 大坊坂下から左手に進むと、墓地を経由して高低差なく着きます。

   


戻る